北本市史 民俗編 民俗編一覧

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第2章 社会生活と親族

第3節 村の運営

4 村の警備

現在のように警察・消防機構が整備される以前は、村の警備は村自体が担っていた。市域では各部落(区)ごと、あるいはいくつかの部落が合同で消防団を持っていたが、これは消防のみならず、風水害、犯罪事件など村の警備全体を請け負うものであった。消防団には伝統的には次節で述べる青年団を終えた、徴兵検査を終えた男子が一家から一人、半ば義務として加入したという。山中では北本宿、常光別所とともに消防団をもち、不動堂の倉庫に消防道具を置いていた。東間で聞いたところによると、かって中丸村ではひとつの消防組をつくり、各部落ごとに下部組織(部)をつくっていた。中丸村全体で七部あり、北中丸に第一部と第二部、本宿に第三部、別所に第四部、宮内に第五部、東間に第六部、深井に第七部が置かれていた。消防組の代表者は組頭(クミトウ)といい、この他に各部に部長が一名、小頭が二名いた。勝林寺に火の見と消防小屋があり、しるしばんてん、ゲートル、ベルト、バケツ、ポンプなどの消防道具を置いていた。年に一回、中丸小学校で道具の点検と訓練があり、軍隊あがりが行進の練習などを教えていたという。各地域とも町村合併に伴い、消防団の編成は大きく変わったという。

写真6 消防団

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