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第2章 社会生活と親族

第5節 家と家族

1 世帯構成

表5は、アンケート調査による世带構成の集計を示したものである。この表にある分類項目は、同居世帯員の続柄から分類したものである。夫婦家族とは「夫婦+未婚の子女」によるものをいい、「二世代家族」「三世代家族」は、「夫婦+直系親族とその配偶者+未婚の傍系親族」によって構成される直系家族を表している。市域における世帯構成の理想としては、親夫婦とその後継者夫婦(主に長男夫婦)との同居を指向する傾向が強い。その結果集計表に見られるように、直系家族の形態をもつ世帯が支配的となっている。特に三世代同居がほぼ六割を占めている。

表5 世帯構成の内訳

しかし、この傾向は地域による差もみられる。例えば北本、公団、本町といった市街地、転入者による住民が多数を占める地区では、夫婦と未婚の子女による夫婦家族(核家族)の割り合いが多くなっている(表5参照)。こうした地域差は居住環境、生業による影響が少なくないと思われる。すなわち、夫婦家族の占める割り合いの多い地区では、勤労者世帯が多く、その一方複数世代による直系家族の占める割り合いの多い地区では、農家が中心となっている。ただ、農家の様子も徐々に変化してきているのも確かである。たとえば、親夫婦と長男夫婦とが同一家屋に住むのが往時一般的だったのが、敷地こそ同じでも別に棟を構えて生活する家も少なからずみられるのである。

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