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第3章 農業と川漁

第1節 畑と畑作物

3 畑作の過程

(四)サツマイモ
サツマ挿し(苗植え)
サツマ苗は苗床の温度にもよるが、種芋を伏せてから四〇日ほどで八寸くらいに伸びる。このくらいになったら太い苗から選んで切り、畑に植え始める。サツマ畑は四月下旬に植え付けの準備をする。サツマイモはたいてい大麦・小麦のサクの間にサクイレするので、麦の二番ザクの時にヒッコミゴイ(追肥のこと)を入れ、三番ザクでこの上に土をかけて苗を植えるのである。ヒッコミゴイには灰とコヌカを使うが、コヌカを入れると甘いイモができるという。
サツマ苗は麦株の脇の土が高くなったところに一本ずつ手で挿(さ)す。植える間隔は「足の跡」といい、自分の足が基準になった。昔からいわれてきた基準だが、これでは少し細かすぎ、一尺二、三寸間隔ともいう。一反当たりの苗の量は四〇〇〇本程である。苗の植え付けは五月初めから始まり、順次苗床から苗を切って六月初めまで続ける。苗をすべて植えてしまうと苗床は壊し、中の床土は植えたサツマイモの肥料にしたり、秋の麦蒔きに使った。

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