北本市史 民俗編 民俗編一覧
第3章 農業と川漁
第6節 川漁と狩猟
1 川漁
(1) 網漁ト ア ミ
トアミ(投網)はボラをとるのに使った。川のへりにボラが数十尾も群れていることがあるので、それを見つけると、走っていってトアミを打った。また、川の中へ逃げていくボラの群を追い駆けて打つこともあった。ボラは二〇~二五センチほどの体長であった。これらの網漁具はかっては、麻糸が使われており、繊維がケバ立ちやすかった。そこで補強のために柿渋につけて固めて使った。柿渋は七月土用前につくる。渋柿をとってきて、潰して瓶(かめ)に入れ、その瓶を首だけだして土に埋め、ねかして作った。
なお、網で漁をしていて亀がかかると、高尾の氷川神社の弁天様の池に納めていたという。