北本市史 民俗編 民俗編一覧

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第4章 職人と技術

第1節 日常生活と職人

14 ニワシ(庭師)

加藤家が庭師の仕事をはじめてから、嘉一郎さん(大正六年生)で四代目になる。初代は苗木屋をしていて安行に出かけて苗を買って育てる仕事をしていた。三代目から庭師として近所の豪農の屋敷の庭の手入れなどをするようになり、嘉一郎さんの代には若い者も三人ほど育てあげたが、事故や病気になったりして、今では自分ひとりの仕事になっている。庭師の仕事は九月末から四月までの農閑期に多かった。昔は得意先を作るには、お伺いをたてに行き、頼まれれば、一年間、お礼は食事だけで手間はもらわず、手間賃は三年目からいただいたものであったという。昔はこちらから挨拶に出かけて仕事をしたが、今では電話で頼まれてから出かけるようになった。
<庭師用語とことわざ>
・ミドリツミ 夏の若芽を摘みとる。
・ハチマキ  木を掘りおこし、根を薦と縄で巻く。
・ゴボウ根  垂直に伸びた一本根をいう。
・サントク、ゴトク ゴボウ根の先に枝分かれしてできた三本根、五本根。
「三本立ちの枝は中を抜け」(松、木斛など)。
「竹は八・九(破竹)に植えてよい」(二年生以上)。
「重ね木、重ね石に気をつけろ」(本座敷から見て)。

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