北本市史 民俗編 民俗編一覧
第6章 衣・食・住
第1節 衣生活
7 髪型、お歯黒、肌の手入れ
肌の手入れ石けんを風呂で使うようになったのは太平洋戦争後のことのようで、それ以前は手を洗うときと、男がヒゲを剃るときに使う程度だった。
水仕事のあとはグリセリンを塗ることがあった。特に荒れ性の人は酒を塗った。カラスウリ、ユズの汁をつけるとよいともいった。あかぎれに効く「アカギレコウ」という富山の薬があった。竹の皮に包んである黒いかたまりで、少しずつ割って火であぶってすりこんで使った。
風呂のない家も多く、そのような人たちは、ふつうは行水やたらいで手足を洗うだけだった。そして近所へもらい
風呂にあるいた。水と薪の節約のため、何軒かで交互に風呂をわかしたりもした。
図7 ニコニコ絣の袷長着
女物普通サイズ……図のもの
肩幅 31cm 30cm
袖幅 32.5cm 31.5cm
後幅 29cm 29cm
前幅 23cm 23.5cm
身丈 身長+2cm 約133.5cm
身丈は少し短め。ほぼ本裁ちの女物に近い。肩あげのあとは不明だが腰あげのあとはあり、成長にしたがってほどいたと思われる。背中に以前は前身頃としていた衿付け線の縫い跡がある。裾まわしには、比較的新しいシンモスを使用しているが、胴うら、袖うらにはかなり古いものを使用している。裾まわしには以前胴うらとして使用したと思われる縫い跡がある。袖口布は、洋服地のコール天を使用している。
図8 うぶ着(女児)
図9 羽織(女物)
表地はつむぎ、見頃のうらにはメリンス、袖うらはふじ絹を使用。