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第6章 衣・食・住

第2節 食生活

1 食料と食事

一日の食事
普段の日の食事の回数は一日に三回で、朝食ーアサメシ(アサゴハン)、昼食ーヒルメシ(ヒルゴハン・オヒル)、夕食ーユウメシ(ユウ八ン・ヨルメシ)、などという。その食べる時間は、朝食が六~七時ころ、昼食が正午ころ、夕食は七時ころであったが、夏場は、四時半ころ起きて涼しいうちにアサヅクリ(アサメシ前の仕事のことで、草取りやサクをきったりした)に行くので、起床後一時間くらいたって朝食を食べることもあり、また夕食もあたりが暗くなって手元が見えなくなるまで田畑にいて、その後帰ってきて食べるという具合に、季節ごとの労働の内容等によっても食べる時間には多少の違いがあった。昼ころ田畑から上がってくるときには、「もうオヒルは食べたかい」といった挨拶をした。
午前と午後の仕事の合間には間食があり、これをコジュハンあるいは単にオチャという。時間は一〇時と三時ころであり、茶を飲んで一服し、お茶うけとしてアラレにした餅やサツマイモ、タクワン・ナッパの漬物など何かつまむ。重労働の上に麦飯を主食としていたので腹がへり、補食として食べるわけだが、割合に暇なときでも食べ、今でもコジュハンを食べるのが習慣になっている家がある。
夜食は、ヨナべの仕事が多いときなどに食べることもあるといった程度で、それも必ず食べるわけではなかったようである。ヨナべは男は縄ない機械での縄作り、女が針仕事などであった。夜食もコジュハンということがあったという。

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