北本市史 民俗編 民俗編一覧

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第6章 衣・食・住

第2節 食生活

3 ハレの日の食物


粥には小正月の小豆粥、十一月のダイシ粥、正月の七草粥などがある。正月十五日朝に作る小豆粥は、十四日に作ったマユダマダンゴを入れたり、ウドンを入れて茶椀に盛りつけてから、砂糖をかけて食べるという家もある。ニワトコの木の先を割って、そこに年神様に供えておいた団子を一つとってはさみ、この粥をかき混ぜる。また、小豆粥を作った鍋、釜の洗い水を、家の回りにまいて長虫(蛇)よけにする(髙尾・河岸地区)、この小豆粥を食べるまでは汁かけ飯を食べてはいけない(荒井・荒久保地区)などともいわれる。ダイシ粥は、四日、十四日、二十四日にそれぞれ作る団子を入れた小豆粥で、この粥はふきとばす(台風)に合うから吹いて食べてはいけないという。七草粥は春の七草ではなく、ナズナのほか野菜を入れて作る。このときの鍋の洗い水を井戸の回りにまくと蛇が入らない(荒井・風原地区)ともいわれる。

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