北本市史 民俗編 民俗編一覧
第6章 衣・食・住
第2節 食生活
3 ハレの日の食物
ウドン・ソバウドンは、前にも述べたヒヤシルなどで日常にも食べるが、作るのに手がかかるためごちそうの一種であり、お祝いや人寄せ(人が集まる機会)などに多く作った。また、いろいろな行事のときのほかに、麦の脱穀などの仕事をイイ仕事(共同で労力を交換して行う作業)でやったようなときにもウドンを出した。小麦を自家で石臼を使ってひき、フルイでふるって粉を取る。そしてメンプチイタとメンボウでぶっていくが、ウドンの味の良しあしは、こねかげんと塩かげんによって決まり、フが出るまでぶつとうまくなるといった。こねて丸めたウドンをさらに何回も足で踏むと、のめっこくて口当たりが良くなる。これは、子供を背負って踏むなどという。娘は嫁に行く前に、ウドンぶつくらい覚えとけといわれた。なお、大正ころには乾メンが出ていて、それを鴻巣あたりから買って農繁期の夕食に食べることもあった。
ソバは自家用程度作ることがあり、大みそか(ミソカソバ)や正月、あるいは冬場の暇なときに石臼でひいて食べた。ソバ粉を練って卵や山芋などをつなぎとして入れる。また、ソバ粉を熱湯でねって食べるソバッカキも寒いときに作った。