北本市史 民俗編 民俗編一覧
第6章 衣・食・住
第3節 住居
3 付属屋
堆肥小屋堆肥は野天積みにする場合もあったが、堆肥小屋またはコヤシゴヤで作られた。堆肥小屋は、木小屋やさつま床の近くに作られることが多かった。また、ハキダメ(掃き溜め)との関係も配慮されたようだ。石戸宿の峰尾隆司さん宅では、掃き溜めを使い堆肥作りをした。風呂、井戸、流しの水を合わせ東の屋敷境の穴に流し込んだ。ここを掃き溜めといって、庭を掃いたごみや炊事の生ごみなどをほうりこんで置いた。一年に一回、泥を掃き溜めの端に揚げ、粗いごみを芯にし、その周りをこの泥でおおい、大きなまんじゅうのように丸くしておいた。冬は湯気が出た。このような方法は峰尾さん宅以外でも広く行われ、できた堆肥はさつま床に入れ温度を上げるために使われた。