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第9章 年中行事

第1節 正月行事

5 小正月

ハナカキ
高尾では十三日ニワトコの木でハナカキをする。玄関、各神棚、墓地などにはヒトツバナを飾る。一つ花は薄く削った花と、削らない蕾とを一つずつ二又
の割り竹の先に付ける。年神棚にはジュウロクバナを飾る。十六花は花七、八個につぼみを付けて十六個にする。堆肥場にはコエガミサン(肥神様)といって、コエジッタバナを飾る。肥じった花は、ニメートルぐらいの竹の先を八つぐらいに割り、半分は上向きに半分は下向きに折り曲げて、そのさきに花とつぼみを付ける。四〇センチぐらいのニワトコの棒の、下一〇センチぐらいを残し上を削ったカユカキボウ二本を作り神棚にあげておく。削らないところは持つところで、上は四つ割りにしてトシガミサマのマユダマダンゴを挟む。
石戸宿では、一月十五日アワボ・ヒエボ(粟穂・稗穗)といって、ニワトコを削ってこしらえた花を各神様にしんぜた。ニワトコは他の木に先がけて芽を出すのでその勢いを祝い、ニワトコのように元気よく作物が育つようにという意味である。大きなケズリ花を、サツマドコ(薩摩芋の苗床)にも立てた。
深井では一月十四日ニワトコのハナカキとマユダマ作りをする。これは、花が咲いて、実がなるようにという意味である。

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