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第9章 年中行事

第1節 正月行事

6 その他の正月行事

ヤブイリ・ヨメのネンシ
正月と盆の十五、十六日はヤブイリで嫁、婿、奉公人が里帰りする。嫁の場合、初めての嫁の年始のときは、シュウトメ(姑)が送っていく。二回目以降は一人で帰る。婚家から反物一反,シキセ、夏ならカスリなど何か持って帰る。二泊して十七日、お返しに実家から、赤飯、おすし、砂糖、せんべいなどを貰って来る。正月もこのころになると、人があまり来なくなり落ち着くころなので、嫁も里帰りできた。子供を引き連れて出かけたが、夫はたいてい行かなかった。
他に嫁さんが里帰りする日は、三・五・九月の節供とシノバライ(収納払い)の時ぐらいであった。
年季で入っている奉公人も、ヤブイリといって正月、盆の十五、十六日は里帰りする。十五日に帰る時に、主人は着物を新調してやって、下駄、手拭、小遣いを持たせてやる。十六日に親が連れて帰ってきた。ヤブイリと盆の十六日は「カギッツルシでも休む」とか、「鬼の首もゆるがる日だから仕事しない」などといって、この日は奉公人は、朝から食ったり寝たりしていた。また、この日が奉公人の出替わりの日でもあった。

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