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第9章 年中行事

第4節 秋から冬の行事

1 八、九月の行事

十五夜・十三夜

写真44 十五夜様(高尾)

十五夜、十三夜は、本来満月を祝う行事なので、旧暦(太陰暦)の八月十五日と九月十三日にやっている家もある。しかし、月遅れで九月十五日と十月十三日にやっている家が多い。この場合は月の満ち欠けには関係なく、月が出ていなくてもその日にやることになる。
月のさしこむ縁先に箕やチャブ台をだし、十五夜様といって、ススキ、ハギ、オミナエシなどの花を一升ビンなどにさして飾り、小麦マンジュウ、米の粉団子、ボタモチ、里芋、薩摩芋、栗、柿、梨などを供え、月見をする。これらの供え物を俗に丸いものと呼ぶが、丸いものは十五夜には十五個、十三夜には十三個上げることになっている。ただ、十五個では多すぎるので、団子や栗は十五個にして、大きなものは省略して五個にしたりする。また、里芋、薩摩芋などは切らずに丸のままゆでて供えるというところが多い。ウドンを打って供え、夕飯はウドンとボタモチという家もある。
十五夜の供え物は子供の物といって、昔は子供たちがよく盗みにいった。子供たちが盗みやすいように大人は早く寝たともいう。
片月見はいけないといって、十五夜をやれば必ず十三夜もやる。十五夜が雨だと大麦が不作(晴れていれば大麦が当たる)、十三夜が雨だと小麦が不作(晴れていれば小麦が当たる)だといった。この日は、大麦、小麦がとれるように月に祈った。二十三夜が雨だと雑穀が不作ともいうが、二十三夜をやる人はほとんどいない。
八幡様を祭っているところ(荒井では南の八幡様を公会堂の所に祭る)では、九月十五日の十五夜の日に祭りをし、お囃子や踊りを奉納する。

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