実録まちづくりにかける集団

北本この人 >> 実録まちづくりにかける集団

第1編 何にも勝る体験学習

住み続けたいまちづくり
わずか四十年ほどで、ひなびた農村から都市化された町へ、急変を遂げた北本市は、いつのまにか住みにくいところになってしまったようで、学校を終えた子供たちは次々とまちを離れていった。
わずか十年前に策定された北本市の基本計画では、人口が十万人を軽く突破しているはずだったが、数年前から伸び率はマイナスを示し、いまだに七万人弱のままである。市の政策は、相変わらず大きく膨らませたまま。
移り住んでくるはずの市民は、一向に姿を見せず、住みつづけてくれる予定の若者は町を離れる。何がそうさせているのだろうか。税収は減る一方であっても、十年も前に予定した事業を、反省もせずまだ続けていこうとする行政。借金ばかりが膨張を続け、負担は後年に先送りされる。そんな町に若者が見切りをつけるのは、当然のことである。
使えもしないヤカタや、維持費ばかりがかかる施設を、飽きもせず作りつづける行政。空家や空き店舗がやたら目立つ中で、人口増を狙った区画整理事業。時代の趨勢を読むことのできない為政者たちは、この町をどこへ導こうとしているのだろうか。
今急務なのは、「住み続けたい北本市の創造」であって、とにかくどこでもいいから転居してしまいたい北本市ではない。
ふるさと学習実行委員会の活動は、こうした現状からの脱皮と、せめて子供たちが夢を持ち・夢を語り、大人になっても住み続けたいまちづくりを目指して、ふるさと北本を学ぶことから出発させたいと願っているのである。
すばらしい歴史と自然を有している北本市は、間違い無く住み続けたい町になれるはずである。もっと自分の地域を学び、地域を知ることによって、そのすばらしさを実感できるはずである。

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