実録まちづくりにかける集団
第1編 何にも勝る体験学習
画一的な子供を育てない子供は本来天真爛漫であるべきだ。いつのまにか、聞き分けのいいしつけの行き届いた子供が「よい子」とされ、人と違う発想をする子や、周りを気にせず活動をする子は、「周りに迷惑をかけるいけない子」、のレッテルが貼られるようになった。周りと同じ発想をし、周りと同じ動きができない子は、集団からはじき出される風潮が出来上がった。「どこを切っても金太郎飴」的子供でないと、集団の中にいられない雰囲気が作られてしまった。
ふるさと学習実行委員会では、ここからの脱皮が必要と考えた。子供は画一的に育てるべきできなく、もともと持っている天真爛漫な心を取り戻させ、個性あふれる人づくりを目指した。人と違う発想はすばらしいことだと教えた。自分流の考えを出せる人間に育てと教えた。もちろんそうはいっても、集団としての基本的なルール「掟」はある。「きちんと挨拶をする」「はっきりと大きい声で返事をする」「ポケットに手を入れて動き回らない」「室内に入ったら帽子を取る」「リーダーの言うことはチャンと聞く」などといった程度の、本当の基本事項だけではあるが。