北本の絵馬

社会3 >> 北本の絵馬

【氷川神社】

氷川神社

武蔵一の宮として人びとの信仰をあつめた氷川神社は、県内各地におよそ160社あまり勧請されているという。北中丸の氷川神社もその一つで祭神は須佐之男命である。境内には、明治の末ごろ天王・稲荷・神明の各社が合社されており、この地域の鎮守である。社殿には、講を組識して、伊勢神宮・戸隠神社・榛名神社などへの参拝記念として奉納した大絵馬、その他男・女・母子などの拝み絵馬が奉納されている。また、祭神を尊んで奉納した須佐之男命の八岐大蛇退治の絵馬、お花の師匠などが奉納した絵馬がある。

太々神樂 氷川神社蔵 (123㎝×197㎝)

八岐大蛇退治 氷川神社蔵 (35㎝×45㎝)

須佐之男命が、出雲の肥の河上で八岐大蛇を退治した神話は、人びとのよく知るところである。絵馬は、祭神である命の武勇をたたえ奉納したものであろう。図柄は、いうまでもなく八岐大蛇退治であるが、命を中心に櫛名田比売と八岐大蛇・酒壺などを描いて物語りのありさまを表現している。明治34年11月、北中丸村の吉野某氏が奉納したもので、額縁、ガラス入りの絵馬である。

花道 氷川神社蔵 (34㎝×135㎝)

花道は、日本人の教養や趣味として、古くから多くの人びとに親しまれてきた。絵馬の図柄は、花に花器、俳句を書きそえ、師匠、正風流杲松斎を筆頭に門人7名の稚号を銘記したものである。花道塾の発展、また門人たちの免許を記念したものであろうか。明治26年1月奉納したものである。
昭和26年にも正風遠州流中丸二世、杲松斎加藤一景、同じく柳松斎角田一静外門人15名が、やはり絵馬を奉納しているが、同じ家元のものと思われる。

<< 前のページに戻る