北本の絵馬

社会3 >> 北本の絵馬

【薬師様】

薬師様

薬師様は眼病祈願の神として、各地で多くの人びとから信仰されしたしまれてきた。そのため薬師という薬師には、ほとんど眼病平癒の絵馬が奉納されている。
九丁の薬師は、峯尾某氏がいつごろからか、屋敷とはなれた自分の地所に勧請したものであるが、その近所の人たちが信仰するようになり、寄りあつまって毎年8月12日に祭りをするようになった。行燈に火をともし、お供えものをし、 子孫の繁栄や商売繁盛・除災興楽などを願ったが、やはり他の薬師とおなじように、眼病祈願の絵馬も奉納されている。


向いめ 薬師様蔵 (13㎝×15㎝)

拝み (女) 薬師様蔵 (14㎝×17㎝)

かつてはうす暗いあかりのもとで人びとは随分と不自由をしたであろう。そのため眼の病にかかる人が非常に多かった。”やんめ”ということも眼の病の流行になやんだ人たちの言葉であった。眼玉を八つ描いて流行の眼病平癒を願ったり、自分の年令だけめの字を書いて眼病の祈願をすることもしばしば行なわれた。
2枚の絵馬の図柄は、”向いめ”と呼ばれるめの文字を対称に二字描いたものと、婦人の一般的な拝みにめの字を書き入れたものである。

<< 前のページに戻る