雑木林のあるまち まえがき等

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発刊にあたり

北本市教育委員会教育長 峯尾 榮


このたび北本市史の姉妹編として『雑木林のあるまち』の写真集が刊行されるはこびとなりました。
北本市史編集の大事業も昭和53年その緒につきはや14年の歳月を数えました。この間、編集委員の方々や、市史編さん室の職員の血のにじむような努力と、快く資料提供をされた多くの市民の方々のご協力により資料編4冊、民俗編1冊の刊行、そして子ども向けの『北本のむかしばなし』を市制20周年記念事業として全戸配布、さらに来る平成4年、5年にわたり「通史編」を刊行し平成7年度にこの大事業の幕を閉じようとしています。
この編集過程にありまして各種の文献、写真資料が発掘されたのを契機に、写真による北本の歴史をまとめようとの提案がなされ今回の写真集の編集となったわけであります。
この写真集は近代現代における北本市が歩んできた姿を伝えようとするものでありますが、何としても昔に遡れば遡るほど写真資料は乏しく、協力委員の方々に口コミで資料提供のため奔走していただきました。
時あたかも、北本市制施行20周年の記念すべき年にあたり市民の皆様よりたくさんの貴重な写真の提供がありお陰様で立派な写真集を編集することができました。
特に北本に生まれ、北本で育った人々にとっては、明治・大正・昭和と3代にわたり変遷する北本市の姿、特に親族、縁者、友人、知己との写真上の再会に、過ぎ去った日々の思い出を懐かしむ方々も多いと思いますし、また新しく北本に住むことになった住民の方々には第2の故郷北本の過去の姿に触れ一段と郷土への愛着の情を深めることと思います。
歴史的写真の性質上モノクロームの写真が大部分ですが、現在の北本市はカラーで収録されています。鳥瞰した北本市の残された豊かな自然も、今後市の発展と共にどのような変遷をたどることでありましょうか。またこの街並みも数十年後どのように変容するのでしょうか。百年後の北本市の市民はこの写真集にどのような感慨を抱くことでしょうか。
明治・大正・昭和そして平成へと続く激動の二十世紀の歴史の流れのひとコマひとコマが、昔の人々の生活と心を伝えてくれます。
この写真集が、今後発刊される北本市史「通史編」と共に多くの市民の方々に講読され、子孫へ残す貴重な文化財として保存されることを切望する次第です。
おわりに、この写真集の資料提供並びに編集に当られた関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

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