北本のむかしばなし 伝説や昔話
あずきとぎばばあ
高尾村に阿弥陀堂 というお堂があります。そこには昼でも暗い大きな森があり、そのまん中は底 が見えないほどの深い谷になっていました。谷底からは、清水 の流れるチャラチャラという音がひびいてきました。
ある夕ぐれどき、遊びつかれた村の子どもたちがこの谷のそばを通りまし た。谷の底から何やら音が聞こえてきます。「ザッキゴッキ、ザッキゴッキ」 とあずきをあらうような音が聞こえます。子どもたちがそうっと谷底をのぞきこむようにしたそのとたん、あたり一面にはえているササがザワザワーッとゆれたのです。子どもたちはとびあがり、いちもくさんに家へにげ帰りま した。「阿弥陀堂の谷に、あずきとぎばばあがでる!」このうわさは村中に広まりました。
村の人びとは、鬼 ばばあが谷底 であずきをあらっているのだとしんじて、ひどくおそれました。こんなことがあってからというもの、子どもたちは、 そこを通るときは、走って通りすぎたものでした。また、子どもたちは、悪いことをしたり、だだをこねたりすると、「あずきとぎばばあが、トガマで首を切りに来る。」とおどされたものでした。
注
(1)トガマ………刃先 がするどくよく切れるかま。
ある夕ぐれどき、遊びつかれた村の子どもたちがこの谷のそばを通りまし た。谷の底から何やら音が聞こえてきます。「ザッキゴッキ、ザッキゴッキ」 とあずきをあらうような音が聞こえます。子どもたちがそうっと谷底をのぞきこむようにしたそのとたん、あたり一面にはえているササがザワザワーッとゆれたのです。子どもたちはとびあがり、いちもくさんに家へにげ帰りま した。「阿弥陀堂の谷に、あずきとぎばばあがでる!」このうわさは村中に広まりました。
注
(1)トガマ………
【北本さんぽでの紹介】
『北本さんぽ第22回 高尾河岸とカワセミと』
阿弥陀堂とあずきとぎばばあの解説は(9:15辺りから10:05)