北本のむかしばなし くらしをつたえる話

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ドロツケ

高尾・荒井・下石戸上・下石戸下などの北本市の西部せいぶ地区ちくで、水道工事などのとき気をつけて見ていると、上の土と下の土とでは色がちがうことがわかります。
もとは、このあたりの土は養分ようぶんが少なく、やせていて作物がよく育ちませんでした。そこで人びとは、ヤドロとよぶこうずいで運ばれてきたえた土を、荒川あらかわの川っペりで取り、やせた土地に入れることにしました。スカリとよぶわらで作った大きなふくろにヤドロを入れて、馬の荷ぐらにつけて何回も何回も運びました。これをドロツケといいました。ドロツケをすると畑がこえて、麦などがよくとれるようになりました。
ドロツケは、麦まきを終えた十一月から、次の年の三月ごろまでの農作業のひまな時にしました。長い間のドロツケで、ヤドロのそうが高尾では五〇センチ、石戸宿では一メートルにもなっている所があります。

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