雑木林遺跡 遺跡の立地と環境
第2章 遺跡の立地と環境
第1節 遺跡の位置と地理的環境
雑木林遺跡は、JR高崎線北本駅の北東約1.9kmの距離に位置し、北本市の北東端に所在する。行政区上は北本市深井4丁目地内にあり、経緯上の位置は北緯36°02'54"、東経139°31'51"である。遺跡は東側に旧谷田川を望む台地上のやや内陸部に位置し、東へわずかに傾斜する平坦部に広がっている。また、遺跡は市街化区域内に位置し、現況は国道17号線を起点に店舗や学校、宅地や畑が混在する。ここでは、北本市域の広がる大宮台地及び市域の地形を概観した後に、遺跡周辺の立地について触れていきたい。
北本市は埼玉県の中央やや東よりに位置し、市域の大半は大宮台地(狭義)の北部に展開する。大宮台地は武蔵野台地と下総台地とに挟まれており、西の荒川低地と北の加須低地、東の中川低地とに画されて島状に独立する。鴻巣市を北端とし、ここから北本市・桶川市・上尾市・さいたま市・蕨市・川口市へ、さらに南東の蓮田市・さいたま市岩槻区へ至る紡錘形の台地で、規模は南北約35km、東西約15kmである。また、東側には狭長な小支台が多数分布している。標高は北西端の北本市高尾付近の32mを最高とし、中央のさいたま市大宮区付近で15mほどと低く、さらに南端の川口市付近で再び標高を増す中だるみの地形である。また、関東造盆地運動の影響により、その中心である加須低地に向かって標高を減ずるため、西高東低の様相を呈する(第1図)。
第1図 大宮台地周辺の地形

さて、雑木林遺跡は旧谷田川を東に望む台地上に位置し、遺跡の範囲は南北約270m、東西約200mである。調査は、遺跡の中央やや北寄りを対象とした。標高は約20.5~21.5mを測る。