第4章 上宿遺跡の調査
第1節 調査の概要と経過
第13図 上宿遺跡周辺の地形と遺跡分布

今回の調査は、上宿遺跡における初めての発掘調査である。調査は令和元年9月17日から10月1日にかけて、約75㎡を対象に実施した(第14図)。調査区は荒川低地を臨む崖線上に位置し、標高は約23mで、開析谷との比高差は約9mである。
第14図 上宿遺跡調査区全測図及び基本層序

基本層序
第Ⅰ層 灰褐色土 表土。ヤドロ質
第Ⅱ層 明黄褐色土 ソフトローム層
第Ⅲ層 暗黄褐色土 ハードローム層。輝石多く含む
第Ⅳ層 暗茶褐色土 第1黒色帯
第Ⅴ層 黒褐色土 第2黒色帯
第Ⅵ層 明黄褐色土 立川ローム最下層
調査区の基本層序は第14図に示すように、地表面から約15cmの深さまでは概ね灰褐色の旧表土(I層)が堆積する。これは当該地域に特徴的な荒川からの客土で、地元でヤドロと称される砂質土である。Ⅱ層はソフト化の進む明黄褐色土である。暗黄褐色のⅢ層はハードローム、暗茶褐色のⅣ層は第1黒色帯、黒褐色のⅤ層は第2黒色帯と思われる。以下は漸移層を挟んで明黄褐色のⅥ層へといたるが、おそらく立川ロームの最下層に比定されるであろう。なお、屋敷地として使用された当該調査区周辺はヤドロが薄い。そのため畑地として使用する場所に厚くヤドロを施したであろうことがわかる。
今回の調査の結果、掘立柱建物跡3棟、土坑24基、堀跡1条等が検出された。