北本の動植物誌 本編 北本市のトンボ類

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北本市のトンボ類
碓井 徹
1.はじめに
筆者は,1984年から1993年にかけて埼玉県北本市においてトンボ類の調査をおこなってきた。この10年間の前半は,筆者も会員になっている埼玉昆虫談話会による“北本市石戸宿昆虫類綢査(1985年~1986年)”を核にして,それを補完する意図で続行した石戸宿に調査対象地をほぼ限定しての調査であったが,その後,吉見町との市町境に位置する蓮沼や高尾地区,市東部の古市場地区なども調査対象地に含め,後半の5年間は北本市全体のトンボ相を把握する目的の綢査をおこなった。これら一連の調査によってあげられた成果の大部分は,この地のトンボ相の解明に大変意欲的な三宮幸雄・磯野治司両氏の精力的な調査によってもたらされた数多くの新知見に依存するところが大きく,県立上尾高等学校生物部の諸君による石戸宿での丹念な昆虫相綢査による成果もたいへん参考になった。また,1991年7月7日には市史編さん室主催の自然観察会が石戸宿で開かれ,それに参加された多くの市民の皆さんからも,当日採集したトンボ類のデータを提供していただいた。本報執筆にあたり,お世話になったこれらの方々にお礼申し上げる次第である。
なお,筆者および磯野治司氏が荒川本流の岸辺で採取したサナトンボ科の羽化殻の一部については,日本蜻蛉学会の松木和雄氏に同定をお願いした。あわせて厚くお礼申し上げる。

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