北本の動植物誌 本編 北本市の軟体動物(陸産及び淡水産貝類)

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北本市の軟体動物(陸産及び淡水産貝類)
川名 美佐男

1.はじめに
埼玉県における軟体動物の研究は、黒田徳米(1934)以後,各研究者の局所的,且つ断片的な報文を見るにとどまっていたが,筆者(1978)は,「埼玉県動物誌・埼玉の軟体動物」に,腹足綱及び双殻綱を合わせて29科68属118種を報告,さらに松本充夫(1985)と共に,「埼玉県立自然史博物館研究報告・第3号」で未記録であった,8科8属8種を追加し,県下全域における軟体動物相を明らかにしてきた。その後は,県内各市町村単位で市史編さん事業が推進され,各地域ごとの軟体動物相はより明らかになった。こうした中で,北本市教育委員会は市史編さん事業の一環として,平成2年(1990)~平成5年(1993)にかけて同市における動植物の分布調査を初めとした各調査が実施され,筆者も当初から自然委託調査員として参加し,特に軟体動部門(陸産及び淡水産貝類)を担当し調査を進めてきた。調査は毎月1~2回を原則として実施したが,本動物群の生態が著しく自然環境の変化に支配されることと,潜性を最大の本性とするために,調査は充分とは云えず,今後未記録種の追加,更には近年の人為的方法による移入種や帰化種等の追加も考えられるが,この間の調査により確認した軟体動物の種名を掲載し報告する。
最後に本調査にあたり,資料の提供を下さった同調査員の故市川和夫氏をはじめ,島田勉,同市編さん室の三宮幸雄の各氏及び関係各位に厚くお礼申し上げる。

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