北本の動植物誌 本編 北本市の両生類

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北本市の両生類
関口いづみ
1.はじめに
両生類は,その名の通り二重の生活様式を持つ生き物,つまり地上と水中で交互に生活する生き物である.また,現生の脊椎動物の中でいちばん小さなグループであるが,水中生活から上陸し陸地を征服した最初の脊椎動物であり,後に爬虫類を生み出した重要なグループでもある.その中で無尾目(カエル目)は最も数が多く,多様性にとんでおり,とても魅力の多いグループである.普通,両生類は広範囲に散らばっているため人目につかないが,繁殖期になると,多数の個体が集合し雄がいっせいに鳴き出すため容易に見つけだすことができる.
北本市の両生類の調査は,1990年5月より調査を開始し,1993年9月までに天候や時刻を選び1カ月に2〜3回の頻度で行なった.調査地としては,両生類の特性から考えて,湧水およびその付近の湿地,池沼,草地,雑木林,また田畑などが多い石戸宿・高尾・荒井・古市場・朝日の地域を中心に調査した.調査期間は各種の繁殖時期等を考えて,2月から9月にかけて4年間にわたり35回行なった.
調査方法は,原則として現地を踏査し,成体の採集または目視により各種を同定した.また,成体の捕獲が困難な場合は,卵塊や幼生,鳴き声などによって生息を確認した.
今回の調査にあたり,埼玉大学の石原勝敏教授,この調査の専門調査員でもある故市川和夫氏に細かなご指導をいただいた.また,井上 巌先生にはハリガネ厶シに関して貴重な資料を提供していただいた.各氏に心から感謝を述べたい.

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