北本の動植物誌 本編 北本市のハエ(双翅)目の補遺

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北本市のハエ(双翅)目の補遺
牧林功
1.はじめに
1990年からはじまった北本市の自然委託調査のハエ(双翅)目は,原勝司氏が担当しまとめられた.それにより北本市で生息が確認された種は14科70種である.筆者は埼玉昆虫談話会の1985,86年に実施された石戸宿の昆虫調査に参加し,若干のハエ目の標本を採集していて未同定のまま今日に至っていた.それに今回の北本市市史編さん室からの委託調査での採集標本を加え,玉木長寿氏に同定をお願いした.その結果,原氏の記録しえなかった種もかなりの数にのぼった.そこで原氏の報告の補遺をするかたちで,筆者の採集標本と既往の文献記録,さらには地元で長年生態写真を撮り続けてこられた加藤靖治氏の写真から判断可能なものを加えて報告する.
北本市のハエ目について最初にまとまった報告がなされたのは,埼玉昆虫談話会の石戸宿昆虫調査のさいである.この時,玉木長寿氏は「北本市石戸宿の双し類」として,同地から10科39種を報告した.また巣瀬司氏は「北本市石戸宿の虫えい」と題してタマバエ科9種を記録(属名まで同定に至っていないものは除外)した.この2報告が既往のハエ目に関する知見のすべてである.今回この補遺を記すにあたり,同定の労をとられただけでなく,常日頃ご教示いただいている玉木長寿氏,スライド写真のご提供をいただいた加藤靖治氏,種々お世話になっている碓井徹氏,並びに三宮幸雄室長をはじめとする北本市市史編さん室の皆様に感謝の意を表すものである.

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