北本の動植物誌 まえがき等 口絵

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監修にあたって
北本市史監修者 大村 進

北本市史は、これまでに本編全6巻7冊、別冊編として「北本のむかしばなし」、写真集「雑木林のあるまち」、復刻版「石戸村郷土誌」及び「郷土読本」、「きたもと子ども漫画館」下巻等5冊を、調査報告書(非売)を14冊刊行してまいりました。
このたびは、さらに別冊編のひとつとして「北本の動植物誌」を刊行することにいたしました。
本書は、市内全域を調査対象として自然の21分野にわたり学術的な調査・研究を行ったものをまとめたもので、いわば北本市の自然の台帳といってもよいものです。このなかには、環境庁により編さんされた一日本の絶滅の恐れのある野生生物 ー(通称レッドデータブック)に記載されているホンシュウオオイチモンジシマゲンゴロウ、エサキアメンボなどじつに8種の動植物も確認されており、さらにはカントウコチビシデムシという新種の発見もあり、北本の自然の豊かさを内外に強烈にアピールしております。
本書では1点1点の動植物には詳細な分析と解説を加え、さらには口絵も含め数百点のカラー及びモノクロ写真を使い、実にいきいきと北本の自然を活写していることも特徴のひとつといえます。
また、各分野の調査報告の中で共通に求められていることは、調査・執筆にあたられた方々が口をそろえて北本市の自然環境の豊かさとそれを守っていくことの重要性を指摘していることです。今後は、この提言を市民のくらしの中でどのように生かしていくかが課題と申せましょう。
また、付載したー北本自然ハンドブックー「谷津ものがたり」につきましては、広く利用者の拡大と教育的活用の観点から作成しております。平易で親しみやすいハンドブック版で利用者の興味・関心を高め、本編でさらにその分野の確認・整理をという意味もございます。併せてご活用いただければ幸いです。
北本市は、首都圏の5 0キロ圏内に位置しながら豊かな自然と先人によって培われた豊かな歴史を残すまちとして知られてきました。その自然と歴史と文化を慕って多くの人々が移り住み、今日に至っているといえましょう。
市では、この豊かな自然を専門家の先生と共に歩く「自然観察会」や「緑のフェスティバル」などの催しを開催し、自然の重要性の啓発を行ってきました。これらの事業を通じ、市史の既刊本や本書、さらに今後刊行されます書物が各方面で有効適切に利用され、北本市の自然や歴史に対する理解をより一層深められていただければ幸いと存じます。
終わりに、ご多忙中にもかかわらず献身的に調査・執筆された牧林編集委員をはじめとする先生方、ご協力いただいた市民の皆様、並びに資料収集や執筆者間の連絡調整に献身的努力を払ってくれた編さん室職員に対し、衷心より感謝の意を表します。

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