北本市史 通史編 近世

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あとがき
昭和四十九年、埼玉県市町村史連絡協議会の発足と共に協議会へ加盟した北本市は、急激な都市化により貴重な資料や風景が消滅していく現状をまのあたりにして「記録」の必要性を痛感し、昭和五十三年四月に社会教育課内に一人の担当者を配置するところから編さん事業がスタートしました。それからすでに一六年、編さんスタッフも五人となり調査報告書一三集、市史資料編四巻(五冊)、通史編二巻を刊行しました。
またこれらの事業を進めていくうちに「子どもにも楽しめるものを…」「目で見る市史を…」等々の意見をいただき、そこから市制20周年を記念して全戸配布された『北本のむかしばなし』、写真集『雜木林のあるまち』が生まれました。特に写真集への反響は大きく発刊後三か月で完売といううれしい誤算もありました。また市内の文書調査を進めていくうちに明治末に.編さんされた『石戸村郷土誌』を石戸小学校で発見し昨年はその復刻も行われました。また現在は市史の『まんがダイジェスト版』刊行事業も進行中です。
これらの事業は、監修者をはじめとして編集委員や専門調査員、執筆協力者という専門知識を有する方々の力をお借りして進められたわけですが、その基礎資料調査には「地域のこと、地域の人のことならどんなことでも御存知」という一〇人の調査協力員の大変な努力がありました。市民と編さん室、執筆者との太いパイプ役となっていただきました。この方たちの力無くして今日の北本市史は存在しないと言っても過言ではないでしょう。
村の合併、役場の移転、組織改革のたびに文書は処分され、行政資料の収集には大変苦労しました。市内の農家も代がわりや新築に伴い、古い文書や生活用具が処分されています。古い時代の生活が写真や文章ででも残せたらと編さん事業を進めて参りました。本事業も北本の動植物誌・まんがダイジェスト版等残すところ僅かとなりました。未来の北本市民に残せる財産をと考え、今後も事業を展開していく所存です。また、これまでの編さん事業のあゆみを巻末に載せました。参考にしていただければ幸いです。
なお、本書の一部の記述については、部落解放正統派埼玉県連合会北本支部の方々の一方ならぬご協力を得ました。ここに記して厚くお礼を申し上げます。
さて北本市史編さん委員として事業開始当初からご指導いただきました福島章副委員長が平成五年八月に、また自然分野専門調査員の市川和夫先生が九月にご逝去されました。誠に痛恨の極みであります。両氏のこれまでのご苦労に対し、深く感謝申し上げご冥福をお祈りいたします。
最後になりましたが、これまでお世話になりました関係各位および市民の皆様へ深く感謝申し上げます。
平成六年三月

北本市史編さん室


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