北本市史 資料編 近世

全般 >> 北本市史 >> 資料編 >> 近世

あとがき
昭和五三年度から着手してまいりました市史編さん事業も、ここに『北本市史』の第一冊目として、第四巻「近世资料編」を刊行するはこびとなりました。
北本市が、都市化の洗礼を受けはじめたのは、ここー五年来のことです。それまでは、大宮台地の北部に位置する畑作中心の農村で、平地林もかなり広がっておりました。それが現在は急速に住宅の街に変身しつつあります。
本書を刊行するにあたって、最大の難関は近世資料の散逸が意外に進んでいたことです。資料調査に七、八年の期間を費したにもかかわらず、およそニニ〇〇点余りの資料を収集するにとどまりました。これらの資料を検討することによって、近世の生活の一端を窺い知ることはできるでしょうが、資料を内容的・時代的・地域的な視点からとらえた場合、それぞれにおおきな片寄りがみられ、近世の北本の歴史的な発展過程を巨細にわたりあきらかにするには、不十分なものといわざるをえませんでした。
こうした状況下で、江袋文男監修者、大村進編集委員長をはじめとして、近世担当の岡田勝雄・小池信一編集委貝 小沢正司・三宮幸雄専門調査員を中心に編集作業が進められました。まず、北本の隣接地域の資料を、さらに県外の資料と、市域に関連する資料を幅広く収集し、資料の不足を補う作業からはじめてまいりました。
本書の編集にあたられました諸先生方には、『北本市史編さん大綱』にうたった「市民に長く読みつがれ親しみやすい市史」という基本理念に基づいて、各節ごとに概観を述べたり、資料一点ごとに解説を付すなどさまざまな工夫をしていただきました。おかげをもちまして、とかく難解といわれる近世資料編が、市民の皆様にとって、より理解しやすく親しみやすいものになったことと思います。この間、とりわけ近世担当の先生方には、たいへんなご苦心をいただきましてありがとうございました。
また、本書の編さんにあたり、数々のご助言をいただきました編さん委員の方々、および市内の各家へ何回となく足を運び資料収集や情報堤供にあたられました調査協力員の方々の労に対し厚くお礼申しあげます。
今回、『北本市史』の第一回目の刊行ということで、事務局もこの一年余り慌しく不安な毎日を過してまいりました。ともすると挫けそうになる私共を、いつも暖かく励ましていただきました江袋・大村両先生、近世担当の先生方、ならびに関係各位に対しまして深く感謝申しあげます。
最後に、今日まで貴重な資料を保存し、資料の提供をご快諾いただきました皆様に厚くお礼申しあげます。なお、通史編の刊行へ向けて资料調査を継続してまいりますので、引き続き市民の皆様のご協力をお願いいたします。
今後とも、市民に長く読みつがれ親しみやすい『北本市史』をめざして努力を重ねてまいりますので、関係者各位の一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申しあげます。
 昭和六二年三月

北本市史編さん事務室


<< 前のページに戻る