北本市の埋蔵文化財
宮岡氷川神社前遺跡発掘調査報告
早川智明 吉川国男 石井幸雄
岩井住男 土肥 孝
5.遺物
土器
(1)第一次調査地点出土の土器
この類は、磨消繩文、原体LRの繩文、弧線文においては、第六類と変らないが、異なる点は、沈線で円を描いた文様があること、弧状沈線の先が二又に分れているものがあること、沈線に入組みがあらわれてきていること、および三叉文が多く使用されていることである。また、第12図のように繩文をたてに回転させているものがあるのも新味である。さらにまた第11図21や第12図6のように沈線間に連続刺突文を施しているものもある。色調は、暗褐色、淡褐色を呈し、両面を研磨しているものが多い。器形は深鉢または注口土器であろう。型式的には、安行Ⅲa式から同b式にかけてのものと推察される。
第11図 第一地点出土の第六・七類土器拓本
第12図 第一地点出土の第七類土器拓本