北本市の埋蔵文化財

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宮岡氷川神社前遺跡発掘調査報告

早川智明 吉川国男 石井幸雄
岩井住男 土肥 孝

5.遺物

 土器
(2)第2次調査地点出土の土器

第五類土器(第14図14~21)
14及び15は、前類と同じく波状口縁を持つ精製の深鉢形土器であるが、施される繩文がLRにはっているところから類を別にした。又、これらの繩文をLRにしているものには、18・21の如く浅鉢及び台付浅鉢になると思われるものもある。深鉢の場合の波頂部の形態、瘤状突起等に第一類と略同様の型式的くずれが認められる点を特に注意してみるべきであろう。なお、この種の土器としては往々にして三叉文の施されているものがあり、16はその一例である。焼成は良く、色調は概して茶褐色を呈している。他は深鉢形土器の胴部破片と思われる。19は、地文にLRの繩文を施し、二条の沈線の間に列点を施したものである。17は、原体の結び目を回転してえられた「S」字状文がみられる。色調は赤褐色、黒褐色、暗褐色を呈し、焼成は良い。以上を要するに、晩期初頭における安行Ⅱ乃至Ⅲa式(真福寺I式)土器に比定し得るものと言えよう。

第14図 第二地点出土の第一類~第六土器

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