北本の動植物誌 あとがき等

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あとがき
昭和53年に市史編さん事業がスタートして以来、現在まで市史本編6巻7冊、別冊編5冊、市史編さん調査報告書14冊を刊行してまいりましたが、このたび別冊編の6冊目として「北本の動植物誌」を刊行する運びとなりました。
本書は、平成2年から5年までの4年間にかけて哺乳類・鳥類・爬虫類・両生類・魚類・双翅類・膜翅類・鱗翅類(蝶・鱗翅類(蛾)・甲虫類・アミカゲロウ類とシリアゲムシ類・半翅類・直翅類・トンボ類・水生昆虫類・クモ類・多足類・無脊椎動物・軟体動物・植物・植生の21分野にわたり、学術調査を行った結果をまとめたものです。この間専門調査員の皆様には7回の市民参加の自然観察会、10数日に及ぶ夜間灯火採集、そして文化センターでの動植物展実施についてご指導・ご教示をいただきました。さらに、調査データ・執筆原稿はもとより、調査にからんでの数々の標本やはく製までもご寄贈いただきました。これらの調査成果は、北本市の恒久財産として、今後建設が予定されている郷土資料館においても活用してまいりたいと思います。
付録の-北本自然ハンドブック-「谷津ものがたり」は、本編の入門編ともいうべきもので、市内に7つの散策コースを設定し、自然と歴史に直接触れていただくことを目的として作成いたしました。この本は、学校教育の中に新たに設けられた生活科の授業にも対応できるようよう配慮を加えてあります。市内を散策しながら、興味をもった動植物について、本編で調べ理解を深めていただく。このような形でご活用いただけたら幸いです。
北本市は、首都圏50キロ圏内に位置し、年々都市化も進んできていますが、豊かな自然の保護を都市化の波とどう共存させていくか、本市が直面している課題でもあります。本書を通じて、皆様が市内に残された自然の素晴らしさを改めて感じていただき、その保全に心を向けていただければ幸いです。
市史編さん室では、今後とも市史関係書籍の刊行、市内に残されている貴重な資料の調査・収集・研究・保存・活用と市民の皆様への市史に関する啓発事業を行ってまいる所存です。
皆様の温かなご支援・ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
なお、本書の刊行に際し、調査・執筆を担当されました専門調査員の市川和夫先生が、編集途中の平成5年9月にご逝去されました。いつも温かな笑顔で接していただいたことを忘れることができません。これまでのご苦労に対し、深く感謝申し上げると共にご冥福をお祈り申し上ます。
また、市川先生の研究を引き継いで執筆にあたられた萩原昇先生、動植物のスライドを快くお貸しくださった加藤靖治氏・磯野治司氏・大久保茂徳氏・伴満氏・吉原早苗氏・鈴木幸氏・鈴木正明氏・峰田徳之氏、甲虫のイラストを描いてくださった小堀文彦氏に厚くお礼申し上げます。
監修者の大村進先生、編集委員の牧林功先生、専門調査員の碓井徹先生には、お立場上とはいえ16名の市史自然調査員の皆様の執筆上のリードはもとより、企画・構成に至るまで専門のお立場から本編及び付録の全文について詳細にご指導・ご教示いただきました。特に、急逝された市川和夫先生に代わって北本市史調査員のキャップの立場に立っていただいた牧林先生は、苦しい立場であったことだろうとお察しいたします。碓井先生には、各執筆者の原稿をご自分のコンピューターを駆使して編集し、完全版下を作るという離れ業をやり遂げていただきました。深く感謝申し上げます。また、埼玉昆虫談話会会員の皆様及び、埼玉県自然学習センターの皆様・関係各位及び市民の皆様には、多方面にわたるご指導・ご協力・自然にかかわる数々の資料や情報を提供していただきました。この場を借りて厚く感謝申し上げます。最後になりましたが、秀飯舎の山田氏・松田氏には、その編集に向けて精力的に情熱を傾けていただくとともに心温まるアドバイスをいただきました。ここにお名前を明記してお礼といたします。
  平成7年2月
    北本市史編さん室

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