北本の仏像
Ⅱ 各地区の仏像
1 中丸地区(旧鴻巣領)
祖師堂
祖師堂 山中201 →(寺院詳細)
日蓮宗の教会場で、明治十五年に日孝大徳、日宣法尼両名によって創立されたという。当時は東京から高崎方面にかけていくつもの講社が結成され、11月22日の御会式の当日には多くの信者で賑わったといい、現在堂内に懸かる無数の奉納絵馬がその盛況ぶりを物語っている。
【木造日蓮上人坐像】
〔品質〕寄木造、玉眼、胡粉下地に彩色〔法量〕像 高 24.5 膝 張 26.0 膝 奥 20.4
次に紹介する僧形八幡神像とゝもに当堂の本尊となっている。日蓮(1222~82)は法華経信仰に基づく日蓮宗を開祖し、鎌倉期の仏教界に新風を吹き込んだ熱血僧として知られるが、その肖像はこゝに見られるように威儀正装した僧服をまとい、右手に扇、左手に経巻を持つ姿に造られるのが通例である。可憐な表情には人形めいたところがあり、彫刻のいうよりはむしろ工芸品に近い作品である。明治期に入ってからの製作であろう。