7コースガイド
➁荒川河川敷コース
〔参考タイム〕●所要時間 2時間
馬室埴輪窯跡——露頭入口——露頭往復——高尾橋——擬木の栅——牧場往復——荒井橋下——横田薬師堂——石屋下——八幡宮
《概要》
北本市の西境、北から南へ約5キロにわたり埼玉の母なる川、荒川が流れる。市では「ふるさと創生事業」として「さくらと歴史の郷づくり」をテーマに、市西部の荒川・河川敷・台地の斜面林を含む一帯の保全・整備を進めている。
コースガイド
市境の
鴻巣側には、県指定文化財の「
馬室埴輪窯跡」がある。傾斜面を利用した巨大な
登窯であった。ここに立ち荒川方面を望むと、
古墳時代の人たちもこれと似た風景を見たかもしれないという気持ちになってくる。一見の価値がある。荒川左岸を
石戸宿あたりまで歩こう。この辺りは
遺跡の宝庫でもある。一番鴻巣よりの台地へ上ると地層が露出している。「
北袋の
露頭」だ。地質学上注目されている場所である。河川敷の道に戻り進むと、まもなく十字路になる。横切る道は、高尾橋に至る道である。さらに100メートルほど進んだ辺りに昭和初期まで
高尾河岸があった。今はその面影はない。まもなく道の左に小さな池がある。かつて「
池尻」と呼ばれた地を掘り広げた人工池である。この辺りから石戸宿下までの水田は「下沼の田んぼ」と呼ばれる旧
石戸地区の米どころである。道は3つに分かれる。真ん中の急な坂を上ると牧場もある。もう一度下沼の田んぼに下りる。道の右側には荒井橋の下まで
擬木の
栅が続く。荒井橋の下をくぐって進む。荒川からはかなり離れ、水音は全く聞こえない。やがて木々のトンネルの中に道は吸い込まれる。トンネルを抜けると通称
石屋下釣り場近くに出る。釣り場に隣接して
天神下運動公園がある。この公園を区切る木の栅は、ビオトープ事業で設けられたもの。反対側の斜面は
石戸城跡の森である。セミの声が頭の上から降ってくる。やがてススキの原を抜けると河川敷の水田にでる。道は桶川市
川田谷の
八幡宮へ続く。この社殿横にはケヤキの大木をくり抜いてつくった花火の大筒が保存されている。
八幡原の花火は明治・大正時代には
両国の花火と並び称されるほどのものであった。この辺りはバードウォッチングに最適。
ひとくちコーナー❸
●高尾河岸
元禄3年(1690)幕府の城米や領主の年貢米の積み出しのため幕府公認の河岸として設置され、江戸への物資(農作物や酒)輸送の拠点となっていた。大正の初め頃まで、諸物産の揚げおろしの船着場としてさかえていたが、高崎線の開通により衰退した。