デーノタメ遺跡 調査の概要

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第3章 調査の概要

第4節 低湿地の調査(第4次調査)

2 縄文時代中期の遺構と遺物
(4) 漆製品(第21・22図、写真45~52)
調査区から出土した土器のうち特徴的なものは漆塗土器である。破片が多く全容を窺わせるものは少ないが、器形のわかるものはいずれも浅鉢で、加曾利E式に限定される傾向にある。大半は黒漆を下地とし、赤漆でモチーフを描いており、隆帯に赤漆を塗布して文様を際立たせるものと(第21図1~6・8・9)平滑な器面に赤漆で大胆なモチーフを描出するもの(第21図7・10~19)とに大別される。また、第22図20は土器の底部を漆のパレットに転用したものと想定され、器内面に硬化した漆と外面にタケササ類の繊維を箍状に巻き付けていた痕跡を残す。なお、第22図21は赤漆を塗布した小礫である。このほか木胎漆器では螺鈿状の装飾部と漆塗杓文字柄部片(写真51・52)も出土している。

第21図 漆塗土器(1)

第22図 漆塗土器(2)

写真45 漆塗土器出土状況(第21図2他)

写真46 漆塗土器出土状況(第21図5)


写真47 漆塗土器出土状況(第22図18)

写真48 漆塗土器出土状況(第22図16)


写真49 漆塗土器出土状況(第22図19)

写真50 漆塗土器出土状況(第22図20)


写真51 木胎漆器螺鈿部出土状況

写真52 漆塗杓文字(2号クルミ塚)

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