北本市史 通史編 現代

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第1章 戦後復興期の北本

第5節 在方町から衛星都市へ

2 商店の推移・分布と「街の商店・村の商店」

めざましい商業の発展
北本の商業は戦後の統制経済の撤廃とともに次第に活気を取り戻していく。その後、昭和三十年前後の数年間、朝鮮戦争後の景気後退の影響を受けて商店数の一時的減少がみられたが、間もなく昭和三十年代後半からの高度経済成長政策の展開に伴う発展期を迎えることになる。
北本の商業発展は当初、高度経済成長に伴う農産物価格の上昇や兼業化による農家収入の増大を背景にして進行する。しかし、飛躍的な発展を迎えるのは、地元農村社会の消費能力の向上あるいは生活様式の都市化に加えて、昭和三十年代後半の工場進出や四十年代にかかる都市化の進展ーーー人口流入期に入ってからであった。
すなわち、朝鮮戦争終結の翌二十九年を指数一〇〇とすると、最も景気の陥(お)ち込んだ昭和三十三年には法人組織の商店が六〇、個人経営の小規模店が八八と減少を示すが、その後工場進出が進んだ昭和三十九年には、法人組織が三〇〇、個人経営が一二九となり、さらに高度経済成長はなやかなりし四十五年には、法人組織四六ハ、個人経営一七二という著しい発展を遂げている(現代NO.一〇七)。とりわけ法人組織の店舗増加は目覚ましく、経営の合理化と規模の大きい商店の進出をうかがい知ることができる。

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