北本市史 資料編 古代・中世

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北本市長新井 馨
北本市は「緑に囲まれた健康な文化都市」を理想の姿として求め続け、その実現のためにさまざまな努力をしてまいりました。そのようななかでふるさと創生事業のテーマが、「サクラと歴史の郷 北本」と決定いたしました。いにしえの北本をふりかえりつつその伝統と文化遺産を未来へ引き継ごうという気持ちのあらわれとご理解いただけるものと思います。
昭和五十三年度より推進してまいりました市史編さん事業も既に 『近世資料編』 『近代・現代資料編』『民俗編』の刊行をみております。今回ここに第三巻上『自然・原始資料編』、第三巻下『古代・中世資料編』が発刊されますことは誠にご同慶にたえません。
北本市周辺の様子は、古くは五世紀ころから文献に登場してきます、『吾妻鏡』や『平家物語』、寺社に残る文書類の中に本市や近隣市町村の地名やゆかりの人々の名を見るとき、一〇〇〇年近くもむかしのことがとても身近なこととして伝わってまいります。中世をしのばせてくれる遺構、遺物としては石戸城跡、堀ノ内館跡、東光寺がもつ日本有数の板碑などがあります。これらの存在する石戸宿、荒井、高尾周辺をその豊かな自然景観とともに今後保護、保存していきたいものと思います。
私たちは先人の営みの上に立つ「今」を正しく見つめ、後世に伝えるべきものは何かを考えていかなければなりません。このような意味におきまして、本書が多くの方々に愛読され活用されますことを心から期待するものであります。
終わりに本書の刊行にあたって、貴重な資料を快くご提供くださった方々、並びに数々の資料の調査・収集にご理解ご協力を賜わりました方々や関係諸機関の皆様に、心からお礼を申しあげて発刊のことばといたします。
特に、北本市史監修者としてご指導ご協力を賜わりました江袋文男先生が、編さん事業なかばにして去る八月に逝去されましたことは誠に残念のきわみであります。市史編さん事業当初からのご苦労に対し心から感謝申しあげ、ご冥福をお祈り申しあげます。
  平成二年三月



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