北本市史 資料編 古代・中世

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発刊にあたって
北本市教育委員会教育長 峯尾 榮
市史編さん事業も着々と進み、今回資料編の掉尾を飾って第三巻上『自然・原始資料編』第三巻下『古代・中世資料編』が刊行されるはこびとなりました。
昨年一月、昭和天皇崩御に伴い、世は昭和から平成と変わり、北本市も間もなく市制二十周年を迎えます。
平成元年度は、市の西部の美しい自然を後世に伝えるべく県営北本自然観察公園の計画も成り、常陸宮様ご夫妻をお迎えしての記念事業も行われました。また、ふるさと創生事業のテーマも「サクラと歴史の郷 北本」と決まり、新しいまちづくりの歩みが始まった意義深い年でもあります。
この第三巻下は、古代・中世の北本とその周辺地域がどのようなところであったのかを数多くの文献や石造資料、仏像などを具体的に写真などで示しながら解説しております。北本市には板碑が多く残り、市内最古の東光寺の板碑は全国第四位の古さと認められております。
また、石戸城跡、堀ノ内館跡、源範頼伝説をともなう天然記念物の蒲桜等は、中世の北本の姿を偲ばせ、遠い私たちの祖先の生活に限りない夢とロマンをかきたててくれます。
本書は、北本市の「緑に囲まれた健康な文化都市」そして「サクラと歴史の郷 北本」のまちづくりの原点となる資料編であります。多くの市民の方々にご購読いただき、北本の歴史にふれ郷土に対する深い愛情を培っていただければ幸いです。なお、既刊も含めたこれら資料編の姉妹編として、小学生向きの読みもの『北本のむかしばなし』の刊行も来年度に予定しています。
終わりに永年にわたる調査研究に対し貴重な資料を提供して下さった関係者の皆様と編集、刊行にたずさわられた編集委員や事務局職員に、深く感謝の意を表し、発刊のごあいさつといたします。
なお、市史監修者として、当初よりこの編さん事業の企画にそして推進に精魂を傾けてご尽力くださった江袋文男先生が昨年八月病没され、まことに痛恨の極みでありました。ここに、ご仏前にこの本をお供えし、ご冥福をお祈り申し上げる次第です。
  平成二年三月

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