北本市史 資料編 近世

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第1章 領主と村

第1節 村の政治

1 領主と地頭

4 嘉永四年(一八五一)十一月 牧野大内様御家督御祝儀渡下石戸上村受印帳
  (下石戸上 吉田眞士家文書一五九)
(表紙)

  嘉永四亥十一月十六日
 牧野大内蔵様
  御家督御祝義渡受印帳
                」
   一札の事
一今般 御殿様御義、被為遊御隠居、御家督当牧野大内蔵様江被為蒙  仰候二付、為御祝義組頭壱人ニ付三百文ツゝ、小前軒別弐百文ツゝ被下置、冥加難有奉頂戴候、依ては是迄時々被 仰出候御法度筋は不及申、都て御趣意筋堅相守、且ハ  御仁恵の御恩沢厚相弁、此上聊猥ケ間敷義不仕 御益筋専一ニ心得、一同出精可仕候、仍之奉頂戴受書如件
  嘉永四亥年
   十一月十六日
     七   蔵○印
    (以下七〇名省略)
     組頭 利 兵 衛○印
 吉田徳太郎殿
解説 領主牧野成寿が隠居をし、家督を嫡子の大内蔵に讓つたので、その祝いとして組頭には一人につき三○○文、小前百姓には一軒あたり二〇〇文ずつ下賜することを伝えた文書である。その事務は名主徳太郎が担当した。下賜に対して農民一同が、これを有難くおうけし、法をよく守り、不埒なことはせず大内蔵様のために一生懸命つくしますという一札を入れている。受印者は七二名である。
吉田眞士家文書(五四六)によると大内蔵支配下の石戸宿・下石戸下・上川田谷・下日出谷・樋詰の各村にも同様に下賜された。

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