北本市史 資料編 近代

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第3章 北本の教育

第3節 国民教育の強化

1 学校教育の充実と統制

203 明治四十二年(一九〇九)十月 石戸村教育会の設立
  (『国民新聞』明四二・一〇・二〇)
    〇石戸村の事蹟
     模範村たるに足る
▲学校の新築 以前は高等科の設けなく第一 ・第二・第三の尋常校なりしが、児童増加と共に教室の狭隘を告げて新築を議決し四十一年三月起工したるに不幸にも工事中ばにして暴風の為め校舎を倒壊され、再び工事に取りかゝり同年十二月十五日落成するに至れり、しかも其建設費用は約一万六千余円にして其内七千八百八十六円は村民の寄附に係り、七千五百円は村債其他により、八百余円は旧校舎の敷地立木の売却代金等なり、校舎は長さ四十五間、児童六百余名、上野校長外十一名の職員熱心に教鞭を取れり
▲村教育会の設立 教育の発達改良を計る目的にて学校職員及有志者を以て去る四十二年八月之を組織したり、会員二百余名を有し盛んに教育の普及を計れり、而して同会の事業は男子に対する施設として
 一 青年補習教育に関する施設
 一 壮丁教育に関する施設
 一 夜学会に関する施設
 一 其の他必要なる施設
女子に対する施設として
 一 退学後の女子に対する温秿(ママ)的施設
 一 家事経済に関する施設
 一 看護育児法等に関する施設
 一 其他必要なる施設
一般的施設として
 一 教育上の講話会及教育品展覧会等の開設
 一 図書閲覧所に関する施設
 一 貧民児童に学校用品の給与若しくは貸与に関する施設
 一 其の他教育上必要なる施設
等にして会員より金二十銭の会費を徴収し毎年春期に総会を開く事となれり、又青年会は三十九年二月十五日開設し和親協同、風俗の矯正、智識の研磨及び同村将来の発達を謀かるの目的にて在住者十五歳以上の有志を以って会員とし会員二百余名を有し、講話会・討論会、学術又は実業上の研究、図書閲覧所の設置等の事業をなせり、就中図書閲覧の如きは青年文庫なるものを設け蔵書一千部以上に達せり、而して書籍の購求方法は会員の寄付其の他会費を以て購入し随時会員閲覧に供しつゝあり、其の他壮丁の軍事教育に農業の講習に村民挙って力をつくしつゝあり、殊に特書すべきは教育会の付設として埼玉県製糸教師野村せつ子を聘し、九月四日より二週間玉繭の製糸講習会を開催したる事にて、同会は尚ほ引続き真綿の講習会を開催する事になりをれり


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