北本市史 民俗編 民俗編一覧

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第10章 民俗芸能・遊戯

はじめに
北本市内で行われてきた民俗芸能は獅子舞、囃子、万作などである。
獅子舞は三頭立てで、この民俗芸能は関東地方の代表的なもので、埼玉県内でも二百数十か所で行われていた。北本市内では石戸宿地区の一か所で行われているだけであるが、北本周辺の桶川市川田谷地区では数か所で行われているし、鴻巣市原馬室地区でも獅子舞を行っている。石戸宿の獅子舞は、芸態などからみると、川田谷や原馬室の獅子舞と似ており、同じ系統のものと考えてよいだろう。
囃子は市内十一か所で行われている民俗芸能で、祭には欠かせない民俗芸能といってもよいくらいである。囃子の系統としては、東京に近いということもあり、江戸囃子系統である。
万作は、現在行われなくなってしまった民俗芸能であるが、北袋地区や北中丸地区だけでなく各地で行われていたようである。特に、万作は北本市に隣接した比企郡川島町や桶川市などが最も盛んな地域だったのである。
民謡には祝い歌、仕事歌などがある。祝い歌ははつうせと相撲甚句を採集出来た。はつうせ、相撲甚句とも婚礼の席で歌われるものである。仕事歌は茶作り歌、麦打ち歌、地形搗き歌、ドハブチ歌、田植歌を採集した。北本は麦作が盛んなので、仕事歌として麦打ち歌は盛んに歌われたようである。
遊戯については、男の遊びは、コマゲンカ、ブッツケ(メンコ)、シノ鉄砲、水鉄砲、水遊び、魚とりなどがあり、女の遊びはナンゴ(お手玉)、キシャゴ(おはじき)、まりつきなどがある。シノ鉄砲、水鉄砲などは身近にあるものを利用して遊んでいるし、水遊びや魚とりは荒川などの自然を遊び場としていたのがわかる。
わらべ歌はお手玉歌、まりつき歌、子守歌、ジャンケン歌などを採集した。お手玉歌、まりつき歌は、お手玉、まりつきの遊びをする機会が多かったので、数種類の歌詞がある。

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