実録まちづくりにかける集団

北本この人 >> 実録まちづくりにかける集団

第3編 「鼓群奮闘」
   北本太古かばざくら五千日の活動記録

第4章 再びのアメリカ

ローズフェスティバルとスクールコンサートの旅 その二


出発まで
平成九年八月に、前年出演したローズフェスティバルと、スクールコンサートの実績が評価されたことから、再度来年のフェスティバルに参加してもらいたい旨の連絡が入った。
団の運営会議にはかり、全員自己負担でも参加したいという結論に至り、再び訪米の夢が叶うこととなった。一人当りの負担予定額は、二十五万円程度と思われるため、家族四人で参加すれば一〇〇万円という大変な金額となる。それに見合うだけの、体験や感動が必ずある、というのが皆の一致した考え方だった。一〇ヵ月先のことなので、一生懸命貯金すれば何とかなるかも知れないという。
この計画が発表された頃は、自主コンサートに向けての稽古が、集中的に行われており、取りあえず頭の中はコンサートで一杯という状況だった。
コンサートも無事終わり、いよいよ次はローズフェスティバル。一度体験していることだけに、メンバーにとってはあせりはなく、どんなステージづくりをし、どんな学校と交流するかが、関心の的となっていた。スケジュールについては、前回同様芸術交流会の亀田を通じて、現地とのやり取りが続いた。
一方では、経費の軽減をはかるため、何でもいいから補助金をさがそうと、色々当ってみたがなかなか思うように行かない。北本市の予算は当てにできないし、国の基金はとてもムリ、県の国際交流基金が、うまくすればもらえるかも知れないということから、資料をそろえ申込み、どうにか二十五万円が頂ける目処がたった。しかし、それだけではとても間に合うものではない。結果的にはメンバーの熱意が集中し、ほとんどを自己負担で賄うことになった。
固定費を軽減するため、他の団体の参加を求め、川口の「南京玉すだれ」のグループが参加する運びになったが、先方の都合で結局実現しなかった。
四月四日、天然記念物カバザクラへの奉納太鼓を終わらせると、いよいよポートランドへ向けての最終仕上げ。参加者を中心としたチーム編成で、曲の完成を目指す。もちろん都合でツアーに参加できないメンバーも、自分のことを託すように一生懸命曲づくりに応援してくれた。
団員が一致して、ポートランドを目指した曲作りに、ターゲットを絞った練習を続けた。
最終調整を終え、五月二十四日には持って行く太鼓の荷造りだ。大太鼓と太鼓の脚は木箱に詰め、他は段ボールでの箱詰めとした。全部で十三個の荷物にまとめたが、それにしても大変な量である。

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