北本市の埋蔵文化財
北本市の遺跡と遺物
宮岡遺跡群
13.宮岡遺跡I 大字高尾字宮岡868~909、1003~1030、1030~1041、1068~1075遺跡は支谷の北側一帯にひろがり、その範囲は、東西450メートル、南北150メートルに亘っている。地貌は平坦地、現在大部分畑となっている。
散布している遺物としては、無土器時代関係で石刃や掻器が、繩文時代関係で鍋屋町式・加曾利E式土器や磨製石斧、すり石が、また古墳時代以降の遺物で土師器(国分式が多い)須恵器、陶器類がある。
採集された無土器時代の石刃は、黒燿石製で、長さ4.4センチメートル、幅2.1センチメートルで、片側が刃となり、一方が分厚くなっているものである。黒燿石は、気泡が多く、しかも透明度が低いので、伊豆天城山産のものであろう。今のところ北本市最古の遺物というわけである。
また、繩文前期の土器として、越後地方の鍋屋町式系統のものが出土していることが注目される。
関東では、浮島式の時期である。遺跡の性格としては、各時代の遺跡が幾つかあつまっている如くであり、全体として大集落跡を形成しているものである。したがって、部分的に遺物の散布密度がまちまちであり、精査をすれば、遺跡の存在範囲ももっと限定された地城になるであろう。
第1図 無土器時代の石器