北本市の埋蔵文化財
北本市の遺跡と遺物
宮岡遺跡群
15.宮岡氷川神社前遺跡 大字高尾字宮岡858遺跡は、台地の奥に進入している谷頭部を抱くように囲繞している。谷頭は遺跡の西側にあって、急傾をなして湧水池を形成している。これとの比高は9メートルである。
遺物の散布範囲は、氷川神社の前面および南東の栗園まで及び、西側は須賀神社の周辺にひろがっている。すなわち200×100メートルである。
遺跡の主体は、繩文晩期で安行Ⅲ式・大洞C式土器などが多い。そのほかの土器では、勝坂式・加曾利E式・安行Ⅱ式土器および石器としては、石棒、石弾、分銅形石斧、磨製石斧などが出土している。また古墳時代の集落跡も存在するらしく、東部に土師器が散見される。
なお、この遺跡の保存状況は、両神社の建立時、整地していることと、道路建設とによって半分くらいは損壊を受けている。また、分布調査中、住宅建設中の土層断面中に遺物の包含層が見つかり、聞くところによると早晩、土取りを行なうことであったので、町教委が2回にわたって、当該箇所の発掘調査を実施した。その結果については前記のとおりである。