北本の植物

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北本市内の保護を要する野生植物について

3.絶滅に瀕しているものの保護

②写真撮影した野生植物の例
くまつづら(くまつづら科)多年生
荒川の堤上に群生していることがある。夏季紫色の小花が数多く咲き美しい。本種は荒川堤上より採種してきたものを公民館庭に栽培したものである。市内ではごく珍しいものである。
ほととぎす(ゆり科)多年生
下石戸の高崎線沿線の山林に群生している所がある。農事試験場周辺の山林にも点在する。夏秋の候に淡紫色の6花被の花をひらく。


くまつづら

ほととぎす


つりがねにんじん(ききょう科)多年生
かつては市内の雑木林のいたる所に分布していたが、現在は大分少なくなった。秋、鐘状の紫色の小花を多数つける。白くて太いにんじん状の宿根をもっている。

つりがねにんじん


きんらん(らん科)多年生
ぎんらんとともに雑木林にあり、春、黄色の小花をひらく。高さ2Ocm〜3Ocm くらいのものが多い。総じてらん科のものは繁殖、生育の力がにぶく、環境悪化にともない年々減少し、あまりその姿を見ない。
ぎんらん(らん科)多年生
前種と同様市内にはごく少なくなった。


ぎんらん

きんらん

【北本さんぽでの紹介】

第42回 キンラン ギンラン


いらくさ(いらくさ科)多年生
市内にはないが、研究会員が秩父の裏山口で撮影したものである。茎、葉に刺毛があり、触れると疼痛を感ずる。市内に植えてもよく生育する。
ぎぼうし(ゆり科)多年生
高崎線沿線の雑木林、荒川支谷の山林にはかなりある。7月頃、白色〜うす紫色の六花被の花をひらく。密生すると美しい。


いらくさ

ぎぼうし

ぎぼうしの花


なるこゆり(ゆり科)多年生
あまどころとよく似ている。あまどころの茎は縦に稜條を有するけれども、なるこゆりにはこれがなく円柱状である。またあまどころはいたる所の山林、墓地などに見られるが、なるこゆりはごく少なく荒川支谷の日陰の水分の多い所に見られる。

なるこゆり

なるこゆり


きつねのかみそり(ひがんばな科)多年生
市内では荒川支谷の日陰の湿地に群生している。春地下の鱗茎より葉を出し、春の末には葉が枯れ、8月盛夏の候、花茎のみを出し、さわやかな紅色の六花被の花をひらく。
えびね(らん科)多年生
市内では荒川支谷の崖や高尾方面の竹林にある。市内ではごく珍しいもので保護の要がある。繁殖させるのもむずかしい。


きつねのかみそり

えびね


ささくさ(いね科)多年生
市内では南小周辺の山林に点在している。秋、穂が出る前は形がささによく似ていてしかも葉が淡緑で美しい。密生させると観賞用になる。
やまたつなみそう(しそ科)多年生
市内では高尾の氷川神社わきの日陰に生育している。6月頃紫色の唇形花をひらく。北本市としては珍しいものである。


ささくさ

やまたつなみそう


おかとらのお(さくらそう科)多年生
山林の端に生育していることが多い。地下茎がありのびてふえる。市内ではまだ少々見かける。
すみれ(すみれ科)多年生
かってはかなリ分布していたが、現在では稀少になった。市内路傍にまま見かける。春、紫色の美しい花がひらく。


おかとらのお

すみれ


つりふねそう(ほうせんか科)一年生
市内では谷田堀の流域にまま発見することがある。この写真はこの堀の延長上の桶川市内でみつけたものである。荒川上流の秩父の山麓には多く見かけるがこの地方では珍しい。9月下旬〜10月上旬にかけて開花結実する。ほうせんかのように実がはぜてとぶ。
いかりそう(めぎ科)多年生
荒川支谷の山林の北向きの日陰の崖にわずかに残存している。3月下旬〜4月上中旬にかけていかりのような形をした可憐な花をひらく。




つりふねそう

いかりそう


にわぜきしょう(あやめ科)多年生
元来はヨーロッパ原産のものだが、現在あちこちの芝生の中などに自生している。
やぶれがさ(きく科)多年生
かっては荒川支谷上の山林にかなりあったが現在は見当らない。春芽がでたばかりの時、白毛をつけ美しい。葉の形が破れた傘を思わせる。荒川上流に多い。


やぶれがさ

にわぜきしょう


はないかだ(みずき科)
雌雄異株の落葉低木で市内では荒川支谷の日陰に点在する。荒川上流の山地には多くある植物である。葉の中央に花が咲き結実するので人の眼をひく。
ふでりんどう(りんどう科)二年生
山林、堤などの日当りの良い所に生育している小さな草である。茎は直立して6~9cmくらい。半ばから上に密接して小葉をつけ、春その上にりんどうの花を小さくしたような花をつける。市内にはこの頃少なくなり、稀に見かける。


はないかだ(雄株)

ふでりんどう


かたくり(ゆり科)多年生
市内では石戸地区の北向きの日陰の崖の所に一ヶ所発見された。4月中旬地上に二葉を出しその間に細長い花梗を抽いて紫色の六花被を有する美しい花をひらく。地下茎は白色多肉の鱗片からなり、小さならっきょうのようで、良質の澱粉を含む。花期が終ると間もなく地上部がなくなる。北本市としては特に環境そのものの保護を要する。
じゅうにひとえ(しそ科)多年生
日陰に生長するもので、茎葉とも白毛を有し、 春先、うす紫色の可憐な唇形花をひらく。


かたくり

じゅうにひとえ


うまのあしがた(きんぽうげ科)
山林の端によくある有毒植物である。かっては、かなり分布していたが現在では大分少なくなった。春先黄色の小花をひらく。
えいざんすみれ(すみれ科)多年生
葉が三裂している葉形のめずらしいすみれである。荒川上流の秩父の山中によく見られるものだが、北本市内に移殖してよく繁殖しているので敢えて掲載した。


きんぽうげ

えいざんすみれ


ほたるぶくろ(ききょう科)多年生
かって下石戸下の氷川神社境内に見られたものである。現在市内には自生していない。荒川上流の山地にはある。6 ~7月頃大型の白色または紫色の鐘状花をひらき美しい。市内でも栽培はできる。
なんばんぎせる(はまうつぼ科)一年生
市内では主に荒川支谷の北斜面の水分の多いところに自生する。すすき、陸稲などのいね科植物に寄生する。また、ゆり科、さといも科、しょうが科、などの植物にも寄生する。茎はほとんど地上に出ず、葉は退化して赤褐色の数枚の鱗片状の葉が互生する。緑色の部分はなく、秋、長い花柄の上にきせる形の紫の花をひらく。現在は数少く容易に見つからない。


ほたるぶくろ

なんばんぎせる


むらさきけまん(けし科)二年生
夏秋の候に発芽し、冬をこし生長し、春紫色の小花を穂状につける。群がると美しく見える。市内では荒川支谷の南面の日当りの良い所に多く見られる。
つるにんじん(ききょう科)多年生
市内では荒川支谷の日陰にまれに見られる。茎は2m以上のつるになり他物にまきつく。夏、鐘状の小花をつける。地下には大きい球状の根茎がある。


むらさきけまん

つるにんじん


ちょうじそう(きょうちくとう科)多年生
荒川に近い荒地に多い。本種は公民館に裁培したものである。5月上中旬、紫色の五弁花をひらく。さくらそうの生育する所には必ずといってよい程ある。現在市内には見当らないが、近くにあるので敢えて掲載した。
うらしまそう(さといも科)多年生
市内では荒川支谷に近い竹林や、山林の日陰に多くある。春、花茎の上部は黒紫色を呈し、甚だ長くせんい状をなす。浦島太郎が釣糸をたれているのに見立てて、うらしまそうという。


ちょうじそう

うらしまそう

うらしまそうの花


たまあじさい(ゆきのした科)
市内では石戸地区の日陰の崖に一ケ所生育している。荒川上流の崖に多い小低木である。つぼみが玉のようなのでこの名がある。
まめだおし(ひるがお科)一年生
茎は無毛で黄色の糸状を呈し、葉がなく細かいりん片がまばらに互生する。多く豆科植物に寄生する。地面から発芽して寄主にまきつくと根がなくなり、寄主から栄養を吸収して生長する。写真は、昨年高尾の金子いとさん方の庭先で発見したもので初めスイートピーに寄生していたという。ちょうど開花した所が見える。特別、保護を要するものとは思われないが珍しいので記載した。


たまあじさい

まめだおし


◎写真の掲載について
写真のうち提供者名の記載のないのは、研究会長、公民館職員の撮影したもので、会員の撮影したもの、または資料提供者はその氏名を記載してあります。

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