北本の文化財

社会3 >> 北本の文化財

【本宿の天神社職】

指定
市指定
種別
有形の民俗文化財
指定年月日
平成28年6月24日
所在地
⑦ 本宿2-7 天神社

本宿所在の天神社の幟旗は北本市文化財報告書『北本の神社』では触れられておらず、これまで詳しい調査はおこなわれてこなかった。平成26年に調査を行った結果、銘は「維神之(これかみの)霊(れい)渉(わたりて)在天(てんにある) 文久元年辛酉年夏六月 當所氏子中」「聖徳寔(しょうとくまこと)馨(にかんばしく)降格地(くだりてちにいたる) 雪城澤俊卿 書」とあり、法量は長さ8.0m、横幅0.8cm、材質は木綿、揮毫者(きごうしゃ)は江戸後期に活躍した書家、中沢(なかざわ)雪(せつ)城(じょう)であることが判明した。
中沢雪城(文化5年(1808)~慶応2年(1866))は、江戸を中心に活躍した書家で、越後長岡藩士の次男として生まれ、「幕末の三筆」の一人「巻(まき)菱(りょう)湖(こ)」の高弟、俗にいう菱湖四天王の一人である。幟旗の奉納は文久元年(1862)6月であり、地元では、文久元年の和宮降嫁のおり、歓迎の意をこめてこの幟が掲げられたと伝えられている。
平成27年2月より市内神社所蔵の幟旗の悉皆(しっかい)調査を行った結果、市内において確実に江戸時代の筆によるものは①市指定文化財「天神社幟」、②本宿天神社幟旗、③石戸宿天神社所蔵「大自在天神」幟旗、の三(さん)流(なが)れであることが判明した。
また、本宿天神社の幟旗は①書家の評価も高いこと、②書家の筆跡を知るうえで貴重な資料であること、③保存状態が良好であること、④市内における江戸時代の幟旗の残存状況に照らしても希少性が高いこと、などから、この幟旗を「市指定文化財(有形民俗文化財)」に指定するものである。

<< 前のページに戻る