北本の仏像

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Ⅱ 各地区の仏像

1 中丸地区(旧鴻巣領)

 多聞寺

多聞寺 北本宿490 →(寺院詳細)

新義真言宗、瀧馬室村(現鴻巣市)常勝寺末。宝塔山と号し、本尊毘沙門万治四年(1661)八月起立と伝えるのみ。(『風土記稿』)


【木造毘沙門天立像】

木造毘沙門天立像

〔品質〕一本造カ、彫眼、彩色(後補)
〔法量〕像 高 72.0 臂 張 28.0 腹 奥 14.0
多聞寺本尊。毘沙門天は多聞天と同体で、本来北方を守護する護法神であったが、のち福徳富貴の神として広く民間に信仰されるようになった。甲冑に身をかため、右手に武器、左手に宝塔を持つ武装忿怒形に現わされるのが通例で、この像の場合右手の武器は三叉棒となっている。やゝ左に腰を捻り、右足を遊足気味にして邪鬼を踏むが、プロポーションが悪いため、何となく異様な像容となっている。その古朴な作風は室町末期頃の作品を思わせるものがあるが、『風土記稿』には万治四年の起立と見えており、やはりその頃の製作になるものであろう。像表面の彩色及び両手先、持物、光背等は後補のものとなる。

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