北本の屋敷神 まえがき等

社会2 >> 北本の屋敷神


古来、 私たちの祖先は、 敬神崇祖の念の象徴としていわゆる「屋敷神」を祭り、 無病息災、平穏無事を祈る信仰のよりどころを求めて生活し、 現在に至っております。当北本市におきましても、古くから在住された家々には、 かなり多く祭られております。
しかしながら、その実態等については不明な点が多く、また近年、 人口の著しい増加・生活様式の変化・思想信條の多様化に伴い、 屋敷神信仰もまた何らかの影響を受けていると考えられます。
そこで、当委員会では、 地域の人々の生活と深い関連のある民間信仰を今に伝える、 貴重な民俗文化財としての屋敷神信仰の重要性に鑑み、 市内全域に亘り総合調査を実施し、 記録保存を図り、あわせて今後の保護のための基礎資料を得ることを目的に「北本市屋敷神調查」を計画し、調査担当者に市文化財保護審議会委員金子幸生先生を委嘱致しました。
その結果、 七五〇世帯に屋敷神が祭祀されていることが確認され、 市内における屋敷神の分布・神名・祭場等について、ほぼ全容が明らかになって参りました。勿論、 今後の再調査や他市町村における事例との比較研究等を俟たなければならない点もありますが、 本書が広く学術資料として、 また当市の歴史や文化財を学ぶ際の郷土資料として、多くの市民の皆様に活用されることを切望致します。
最後に、 本調査の趣旨を御理解頂き、 心よく御協力くだされ、 種々御教示くださいました屋敷神を祭る方々、また、 調査担当者として本書の執筆までお願い致しました金子幸生先生に深く感謝申し上げます。
  昭和五九年三月 北本市教育委員会 教育長 程塚幸雄

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