●発刊はっかんのことば

北本市長 新井あらい　馨かおる

このたび、市制施行しせいしこう二〇周年記念しゅうねんきねん事業の一環いっかんとして「北本のむかしばなし」を刊行かんこういたしました。これはいわば市史ししの姉妹編しまいへんともいうべきものです。本市には、古くから伝説でんせつや昔 話むかしばなしなど、たくさんの話が伝承でんしょうされてきました。まちづくりの一つに「さくらと歴史れきしの郷さとづくり」の事業をかかげたのも、こうした史的雰囲気してきふんいきの残のこる伝承豊かな土地であったればこそであります。こどもたちや市民しみんの皆様みなさまに、「ふるさと北本」に対する御理解ごりかいを深めていただき、郷土きょうど北本に誇ほこりと愛情あいじょうを持っていただければ幸さいわいに存ぞんじます。
この本は居間いまにおき、家族中でくり返しくり返し読んでいただき、楽しんでいただく本です。草ぶかい北本で田畑をたがやしていた遠い昔の人びとの姿すがたや、それらを語り伝つたえた人びとの心が、ほのぼのと伝わってまいります。読む人たちの思いを、はるかな北本の昔にさかのぼらせることができれば、本書の目的もくてきは半なかば達たっせられたことになります。
ここ二、三〇年の間に人びとのくらしや地域ちいきは大きな変化へんかをとげました。この種しゅの貴重きちょうな語り草も影かげをひそめようとしているとき、各方面のご協 力きょうりょくによってこの本が上梓じょうしできましたことは、喜よろこびにたえません。皆様のご活用とご叱正しっせいをお願ねがいいたします。
おわりに、限かぎられた資料しりょうと期間の中で執筆しっぴつやさし絵をかいてくださった先生方、貴重な資料を提供ていきょうしていただいた方々のご好意こういに心から感謝かんしゃ申し上げます。