北本ことば「いろはカルタ」

い　いい子で　かわいい子で　まめな子だ
ろ　ろくすっぽ勉強しねえけんど　よくできる
は　はらがへったら　まんま食え
に　人形っこやんご　おらちでやるべや
ほ　ぼっとかしたら　よばれていぐんだ
へ　へんちくりんなかっこう　すんなよ
と　どろやんごして　よごすと　こうたれんどう

い　いい子で、かわいい子で、元気な子。
ろ　(あの子は)たいして勉強をしないけれど、せいせきがよい。
は　おなかがすいたら、ごはんを食べなさい。(ぜいたく言うものではありませんよ。）
に　お人形さんごっこを、わたしの家でやろうよ。
ほ　もしかしたら、お客にまねかれて行くことになるかもしれないんだ。
へ　(服装ふくそうやかみがたなど)へんなかっこうを、するなよ。
と　どろこねして遊んで、服をよごすと、(お母さんに)おこられるぞ。

ち　ちっとんべえ　乳ちち飲ましてくんどい
り　りんりきは見たこたあ　あるが　乗ったこたあねえ
ぬ　ぬくてえ日にゃあ　ぬきの下で　ひなたばっこが一番だ
る　留守居るすいができちゃいい子だ　だちんくれベえ
を　おかしなことだよ　オトカにばやかされたんだって

ち　(この子の母親がるすなので)少しばかり、(わたしの孫まごに)あなたの乳を飲ませてください。
り　人力車(というもの)は、見たことはあるが、乗ったことはありません。
ぬ　あたたかい(冬の)日には、のきの下で、日向ひなたぼっこ(をしてすごすの)が一番いい。
る　留守居番ができるということはりっぱなことだ。おこづかいをやろう。
を　おかしいな　キツネに化ばかされたんだってよ。

わ　わっかまあしして　あすんべやあ
か　かくねんごする者　このいびとまれ
よ　ようつりいぐんじゃ　朝は　はええぞ
た　だれかさんの頭にチンチクリンがとまった
れ　れんたんより　まめたんの方が　こぶまきがよくねえる
そ　そんなへっぴりごしじゃ　だめだ

わ　「わっかまわし」(自転車のリムを、ぼうでおしながら回し、走りまわる。また、荷車の車輪しゃりんを両手で転がすだけのこともあった。)して、遊ばないか。
か　「かくれんぼする者、この指とまれ!」
よ　魚つりに行くのなら、朝(家を)早く出るぞ。
た　「だれかさんの頭に、チンチクリンがとまった。」
れ　練炭れんたんより豆炭まめたんの方が、昆布巻こぶまきがよくにえる。
そ　そんなおよびごしでは、だめだ。

つ　つらああらってから　まんま食え
ね　ねしょんべんするから　夜は　あんまり 水のむな
な　なんにもねえけんど　あがらっせい
ら　らあくだらあくだ　いつ楽らくだ　おかごに乗ったより　まだ楽だ
む　むちゅうっけえして あすんでやがる

つ　面つら(顔)をあらってから、ごはんにしなさい。
ね　寝小便ねしょんべんをしちゃうから、夜(ねる前)には、水を飲まないようにしろ。
な　何もないけど(もてなしはできませんが)、(家に)上がってください。
ら　(子どもが、荷車の後ろに乗せてもらえたとき)「楽だ、楽だ、いつ楽(極楽ごくらくか)だ。おかごに乗ったよりもっと楽だ!」
む　まったく、夢中むちゅうになって、遊んでいるよ。

う　売ってくらっせい　鉄砲玉てっぽうだま
ゐ　井戸いどんなかへうどん つるしておくと すいねえよ
の　野良のらへ　お茶おけ持ってぐかんね
お　おっかな　びっくり　戸をあけたら　うったまげたよ
く　ぐずぐずしねえで　早くこう
や　やっちゃんこらせえ　やってるから いってんべや
ま　まあっと　まっとって　ゆうんじゃねえ

う　(お店で)「ちょうだいな、鉄砲玉(飴玉あめだま)ください。」
ゐ　井戸の中へうどんをつるしておくと、いたまないよ。
の　畑へ、(中休みの)おやつを持って行く (とどけてくる) よ。
お　おっかな びっくり(おそる おそる)戸をあけたら本当におどろいたよ。
く　ぐずぐずしないで 早くいらっしゃいよ。
や　「やっちゃんこらせえ、(つるはしをふるう土木作業のことで、そのかけ声から出たいい方)やってるから(しているから)行ってみようよ。
ま　もう少し、もう少しって、ねだってはいけないよ。

け　けんとうつけて　さっぽれよ
ふ　ふき竹でふくと　火がよくむえるよ
こ　こごたんがねえから　えんぴつけずれねえ
え　えんがわで　なんごとりすべえや
て　でえっ様へ　おめえりにいぐべや

け　ねらいをさだめて、ほうり投げろよ。
ふ　(かまどのもえが悪い時など)火ふき竹でふいてやると、火がよくもえるよ。
こ　小刀がないから、えんぴつがけずれない。
え　えんがわで、お手玉遊びをしようよ。
て　大師様だいしさまへおまいりに行こうよ。

あ　あすくんちの子は　みんなよおく 字かできる
さ　さあっきから　まあだはりめどに　糸がつうんねんか
き　きびしょのふたが　うっかけた
ゆ　湯ゆうたったから　へえりい来やっせい
め　めんこううでたから　食ってがっせ
み　みっともねえから　鼻あかめ
し　しっちらかさねえで かたづけろ

あ　あそこの家の子は、みなせいせきがよい。
さ　さっきから、まだ、はりあなに糸を通せないの。
き　急須きゅうすのふたが、かけてしまった。
ゆ　おふろをわかしたから、入りに来ませんか。
め　うどんをゆでたから、めし上がってってください。
み　見苦しいから、鼻をかみなさい。
し　ちらかしたままにしないで、かたづけなさい。

ゑ　ゑびす講こうにゃあ　がま口せんぜろ
ひ　ひゃっこい水が　飲みてえな
も　もったねえから　仏様ほとけさまへせんぜってから食え
せ　ぜねもらっても　むだ買いすんなよ
す　すっぽろけんでいると　かぜをひくぞ
ん　（京のゆめ　北本のゆめ）

ゑ　ゑびす講（一月二十日と十月二十日）には、がま口（さいふ）を上げなさい。
ひ　冷つめたい水が飲みたいなあ。
も　もったいないから、仏壇ぶつだんにおそなえしてからいただきなさい。
せ　おこづかいをもらったからといって、むだづかいをしてはいけません。
す　うす着でいると、かぜをひくぞ。
ん　（「いろはガルタ」では、「京のゆめ、大阪おおさかのゆめ」）